2017.06.14
こんにちは。菅井歯科医院 藤沢の長岡です。
さて、今日は妊娠とお口の関係についてです。
私はかねてから、特に女性にはなるべく早く歯科検診を受け、必要があれば歯の治療をすることをおすすめしています。
(もちろん、これは老若男女関わらず大事なのですが。)
なぜなら、もし今後妊娠した時にお口のトラブルが起こるとなかなか厄介だからです。
その理由は三つあります。
<妊婦さんの3つのお口の「困った」>
①飲める薬が圧倒的に少ない
痛みのある大きな虫歯や歯茎の腫れ、親知らずの炎症など、歯科治療ではお薬を出すことが多々あります。
しかし妊娠中や授乳中だと、お母さんが飲んだお薬が赤ちゃんに影響する可能性があるため、飲めるお薬が制限されてしまします。
特に13週まではこの傾向が強く、激痛があるのにお薬を出せない、なんてことになりかねません。
②妊婦特有の症状がでる
「妊娠関連歯肉炎」という歯茎の炎症を起こすことがあります。
これは、妊娠によるホルモンの影響で、歯肉に炎症が強くみられるもので、より丁寧なプラークコントロールが必要になります。
他にも、悪阻でお口が触れなかったり、大きなお腹のために仰向けで治療ができなくなるなど、様々な影響がでることがあります。
③お口の病気が赤ちゃんに影響を与える
実は、歯周病と早産・低体重児の出産には大きな関わりがあります。
お母さんが中等度以上の歯周病だと、早産のリスクが高いといわれているんです。
これは、歯周病菌と体の免疫が戦う時に出されるサイトカインという物質が刺激を与えるためと考えられています。
また、赤ちゃんは生まれてから3歳くらいの間にお口の中に常在菌(ヒトの体に存在する、様々な種類の菌。)が定着しますが、お母さんに虫歯菌や歯周病菌がたくさんあると、その子どもも同じように虫歯菌や歯周病菌の多いお口になってしまいます。
(常在菌は他の人からももらいますが、一般的に接触時間の長い母親の影響を強く受けます。)
こんな風に、妊娠とお口にはたくさんの関係があり、影響しあっています。
ですから、妊娠中にお口のトラブルが起こらないように、早めに歯科検診を受けましょう。
ちなみに、安定期であれば歯科治療を受けることも可能です。
もちろん症状にもよりますので、一度ご相談ください。
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