2016.02.08
こんにちは。菅井歯科医院藤沢です。
先週末は所属している勉強会で東北大学の江草教授をお招きし,再生医療について様々なお話をしていただきました。
江草教授は,ヒトの歯肉の細胞から初めてiPS細胞を作り出した大変優れた研究者かつ臨床家で,
若くして東北大学の教授になられた方です。
講義は,歯科で初期に行われていた再生治療のことから,現在世界で使用されている再生材料(たとえばエムドゲインやGEM21,Infuseなどの成長因子,Bio-Ossやβ-TCP,DFDBAなどの骨補填材,その他PRP,PRGFなど)の利点,欠点について,そして今後の再生医療の展望について,近い将来実現しそうな事や,まだまだ臨床での応用は難しいのだけれども夢のある話まで,幅広くお話していただきました。
また,遺伝子解析が進むことにより,歯科でも個人差を考慮したオーダーメイド治療が進んで行く可能性があるということもお話いただきました。
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2009年に,理研などの研究チームによってマウスで人工的に歯を再生させることができたことは様々なメディアでも報道があったと思います。2011年には歯だけではなく,歯根膜や歯槽骨も含めた歯の再生も達成されたそうです。
だからといって,今すぐ来院された患者さんの歯を再生させられるわけではありませんので,そのような期待を持って来院されても困ります(ごく稀にいらっしゃいます)が,このような研究が進んで行けば,いつかは歯が無くなって困る患者さんがいなくなるのかもと思うと,非常に楽しみです。願わくば,私が現役歯科医師であるうちに実現して欲しいと思いました。
そして,そのような再生の技術や治療法が将来確立したとしても,今現在行われている歯周病治療は無くならないでしょうし,歯周外科やインプラント外科のスキルは新しい治療法にも必ず役立つと思います。
今は,優秀な研究者たちの努力を陰ながら応援しつつ,いつか来るであろう再生歯を用いた治療のために,日々スキルアップして行きたいと思います。
藤沢駅より徒歩5分